天下一品

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天下一品ラーメン
天下一品ラーメン

天下一品てんかいっぴん英語名:Tenkaippin)は、ラーメンチェーン店またフランチャイズチェーン店の一つ。京都府京都市を発祥地とする。10月1日を「天一の日(てんいちのひ)」と称して様々な企画を行うなど「天一(てんいち)」という略称が使用される。

なお、「天一」および「天下一」という名称を掲げるラーメン店や、晋陽グループが関西圏を中心に展開する「テンイチ(TENICHI)」ブランドのパチンコホールとは直接の関係がない。

沿革[編集]

天下一品ラーメン

創業者は木村勉であり、勤務していた電機関係の企業が倒産する憂き目に遭った木村が、1971年に銀閣寺周辺で開いた屋台がその発祥。木村の所持金は37000円と言う窮状からの出発であった。

当初の売り上げは芳しくなかったが、ある石材店の社長からの厚意で、その店舗の敷地の一部に屋台を固定。さらに、屋台仲間からスープを教わるなど、研究を重ねることによって独特のスープを完成させた。この屋台で提供していたラーメンは京都で「こってり系ラーメン」と呼ばれ、同地では珍しくない鶏ガラ白湯ラーメンだった。

1975年8月に初の店舗を構える。2012年現在では滋賀県に自社工場を持ち、日本全国に店舗を拡げ、海外では米国ハワイ州州都ホノルルに1店舗がある。2013年2月時点で、店舗数は230である。

北白川総本店とも称される本店は、京都市左京区一乗寺に所在し、43席の店舗で1日1000食を売り上げると言う。

商品構成[編集]

スープ[編集]

スープは、「こってり」と「あっさり」の2種類が基本となっている。

「こってり」はと11種類の野菜からつくられたスープで、ポタージュの様にドロリとしており、麺に絡みつくかのような粘着感を持っている。そのレシピは極秘扱いされている。このスープはどろりとはしているものの、意外と脂っこくは無いと評する向きもある。このスープは「箸が立つ」、「ラーメンとは別のジャンル」、「ラーメンを超えたラーメン」などと形容され、かつては鯨油牛脂が使われているのではないかとの噂も囁かれた。

「あっさり」はゼラチンを使用している。

追加可能な調味料・具材[編集]

薬味ネギには、青ネギ等が使われている。一部の直営店では、ネギが青いプラスチック製の(ざる)に入れられて提供されている。カウンターには、発酵した芳香のある唐辛子味噌が備えられている。これらは店舗により若干の違いが有る。

その他のメニュー[編集]

こっさり・2号[編集]

「こってり」と「あっさり」のスープを半々に混ぜた「こっさり」が存在する。「こってり」を「1号」、「あっさり」を「3号」と呼ぶのが厨房符牒であり、こってりとあっさりの中間であることから「2号」とも呼ばれる。別名「屋台ラーメン」「マイルド」とも呼ばれる。かつて、従業員のほかは関係者や常連客以外はその存在を知らない裏メニューだった。

4号・味がさね[編集]

2004年1月より、一部店舗において「味がさね」という、スープの濃度を客が調整可能な野菜入り味噌ラーメンを取り扱っている。

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麺は、通常麺の他、数量限定の場合もあるが細麺が選択可能となっている。一部の店舗では、2007年より約1年間、従来のストレート麺のほかに、縮れ麺が選択できるようになっていた。

また本店や直営店とFC管轄会社によっては麺の加水率や太さが異なる場合がある。これはFC管轄会社によっては製麺工場を自社で独自に持っている(「株式会社ベスト天下一品」など)場合があり、それぞれが別々に麺を製造している。

超こってり[編集]

店によっては「超こってり」を提供している。超こってりの製法は、こってり用のスープを小鍋に取り、煮詰めるというものである。2002年に正式メニュー化されていたが、手間がかかりすぎるという理由で原則廃止された。現在は天下一品本部非公認であり、数店舗しか対応していない。

天一の日[編集]

毎年10月1日は、天一の日として各店舗でキャンペーンが行われている。これは、当日に麺類や麺類を含む定食を注文すると1ヶ月間有効のラーメン1杯無料がもらえるというものである。加えて、翌日からの1週間はスピードくじが配布される。このくじの景品は、2005年に携帯機器用ストラップや100円割引券などで、過去には、店のを模した小型の丼などの景品もあった。

広告展開[編集]

施設内[編集]

店内には、鍋に入ったスープの画と共に「健康食品」と書かれたポスターが貼られている。もっとも、ここでの「健康食品」は謳い文句であり、日本健康食品協会が定める「健康食品」とは別儀である。主力商品である「こってり」は、このメニューのみで営業していた時期から、「栄養たっぷり」で「スタミナが付く」ことをキャッチコピーとして打ち出していた。

メディアへの展開[編集]

広告活動[編集]

テレビCMなどのメディア広告には、長らく木村と河内家菊水丸が登場。テレビCMについては、2004年頃から、ベッキー出演のバージョンも放送されている。かつては、筒井康隆出演のCMも放送していた。

ベッキーは当初、「味がさね」のイメージキャラクターとして起用。後に、キャラクター契約の範囲を拡大したうえで、テレビCMの一部で木村と共演するようになった。ただし、岡山県以西の西日本エリアの放送局では、CMを一切流していない。

米国ハワイにて放送されている地元テレビCMには、元横綱武蔵丸光洋が出演している。

テレビ番組[編集]

2000年4月からKBS京都で放送中の『とっぴもナイト』には、筆頭スポンサーとして名を連ねるほか、当社の関連施設(主に「スパリゾート雄琴・あがりゃんせ」か「天然源泉の宿・ことゆう」)を収録場所として提供。木村や菊水丸も、パネリストとしてレギュラーで出演している。

毎日放送MBSテレビ)では2011年1月16日に、木村の半生をドキュメンタリー(半年間にわたる木村への密着取材)と再現ドラマで振り返る内容で、『天下一品物語 -すべては屋台から始まった-』(『魔法のレストラン』からのスピンオフ企画による特別番組)を放送。ドラマパートでは、創業当時の木村を金山一彦が演じるとともに、当時の設計図を基にラーメンの屋台を再現した。

映画[編集]

2012年1月には、当社の創立40周年記念企画として、実写映画『メンゲキ!』を制作・公開した。

トラブル[編集]

天一食品商事の役員らに強迫され1800万円の示談金を支払うという念書を書かされたとして、京都府京都市の広告会社から京都地方裁判所債務不存在の確認を求めた民事訴訟を起こされ、2014年7月、被告天一食品商事の敗訴となった。2012年10月、滋賀県大津市内のリゾート施設の一室で、天一食品商事の役員ら7名が広告会社の代表1名と面会。天一食品商事の役員らは、広告会社が担当した テレビCMの放送時間帯や番組の視聴率が悪く、損害を被ったと主張。1800万円の示談金を支払う念書の作成を要求した。広告会社代表は拒否したが、天一食品商事の役員らは「家を担保に入れたら借りられる」などと発言し、強迫行為に及んだため、やむなく念書の作成に応じたという。裁判において天一食品商事側は「畏怖を生じさせる発言はしておらず、強迫には当たらない。金銭について切り出したのは原告であり、何ら要求・強要は無かった」と反論したものの、判決では「天一食品商事の役員らによる強圧的で異常な言動で念書を書かされ、強迫行為があった」と認定、広告会社代表の訴えを認め、債務の不存在を確認した。敗訴した天一食品商事側弁護士は「事実認定は間違っており、不当な判決」と述べた。

関連項目[編集]

外部リンク[編集]

テンプレート:ファーストフードチェーン店