Sound Horizon

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Sound Horizon(サウンドホライズン)はサウンドクリエイターRevoを中心とする日本の音楽ユニット。

概要

自らを「幻想楽団」と称し、物語性の高い歌詞と組曲的な音楽形式による「物語音楽」を主な作風とする。

Revo個人のウェブサイトを前身とし、2001年末より同人音楽サークルとして活動開始。2004年にはラップ・クリエイティブ所属アーティストとしてメジャーデビューを果たす。

同人音楽出身ということもあり、当初はアニメ・ゲームファンを核とする若年層がファンの中心であったが、特に「Chronicle 2nd」以降の口コミ効果やライブコンサートの開催により、それ以外の層からも広くファンを獲得しつつある。

ファンの間からは「サンホラ」「SH」の略称で呼ばれる事がある。

メンバー

メイン

サポート

下記のメンバー以外からも、目的に応じて自由に編成される。()内にメジャーデビュー以降の参加CDを記載。 略称:E前(Elysion ~楽園への前奏曲~)、E組(Elysion ~楽園幻想物語組曲)、少(少年は剣を…)、R(Roman)

元メンバー

その他、インディーズ時代のみの参加者も、便宜上ここに記載する。

作風

幻想物語といっても、夢や希望に溢れた明るい世界観よりは、悲劇的・退廃的なものが中心。 人が死ぬ物語も頻繁に描かれることから、Revo自ら「人殺しソング界の貴公子」と冗談めかして自称するほどであるが、それらを必ずしもネガティブに描いているとは限らないのもまた特徴である。

物語は一曲で完結するものもあれば、一つのアルバム全体のテーマによる縦の繋がりや、アルバムの枠を越えた横の繋がりを含む組曲形式、所謂アンソロジー的アプローチによるものも多い。

「Chronicle」「Chronicle 2nd」「Roman」などでは全体を通して歴史をテーマに掲げている様子が窺える。その延長線上の話が以降の作品でも取り上げられることも少なくはない。Revo本人もインタビューで歴史(の中で語られる人物)をストーリーの軸に置いていると語っている。また、歴史をテーマとする作品では古代近世欧州と思しき時代設定が多くみられる[1]

物語の細部や結末は敢えて曖昧にされていることが多い。世界観が視覚的に表されているのはジャケットイラスト程度である。これについてはRevo自身「人それぞれの解釈を楽しんでもらいたい」からだと語ったことがある。「エルの楽園[→ side:E →]」プロモーションビデオ及び「Elysion」コンサートツアーの描写は、Revoとは別に演出担当としてスクリーミング・マッド・ジョージを招き、双方の解釈を反映させた形となっている。 このためファンの間では、作品に対する各自の解釈を持ち寄って議論する等、独特の楽しみ方がなされている模様。

音楽性

所謂ポップス、ゲーム音楽、ロックジャズからクラシック民族音楽童謡等の様々な音楽要素を取り入れている。幅広い楽曲の音楽性を持っているが、アレンジ面はメタルハード・ロックの影響が色濃いとも言われる(例えばRomanの一曲目「朝と夜の物語」中間部のオルガン・ソロは、ジョン・ロードの影響を指摘する声がある)。要出典

一般にリスナーの好き嫌いは大きく、極端に賛否が分かれる傾向にある。クリエイター自身の手癖的な旋律回しや、アプローチが目立つことは珍しいことでは無い。(一部ファンは「Revo節」であるとしている)逆に同じキーの楽曲同士で似たフレージングを用いて、「音楽的な楽曲の繋がり」を見せることも多くある。

また、特に初期の作品にはスクウェア所属時代の伊藤賢治の影響が強く見て取れる。 「Lost」以降の作品では、歌唱の前後や合間に、通称「語り」と呼ばれるナレーションや台詞が入るようになる。 特に「語り」におけるJimangの声・演技は非常にアクの強いものであり、これもまたリスナーの好き嫌いを大きく分ける要因となっている。


インディーズ期(主にChronicle~Lost)はRevoの打ち込みによるものが中心であったが、次第に楽団を編成し、音源にこだわる側面を見せてきた。Revo個人名義で参加したリヴァイアサンのイメージCDでjake・恵比須弘和らと合流すると、その傾向は更に強くなった[2]。更に第二期では、それまでどちらかと言えば優しい音を演出してきた田村滋・南都亮二に代わって、前者とは対照的に強い音を得意とする長谷川敦・藤本健一が加入することにより、音源に大きな変化が見られた。元よりその傾向はあったが、これによってプログレッシブ・ロック色の色合いが顕著になった。また、ボーカル・語りで圧倒的な存在感を示していたAramaryが脱退し、新しい歌い手や語り部分に著名な声優を起用したこともあり、主にこの2点に第一期と第二期での方向性の違いを垣間見ることが出来る。

編成

初期の作品ではRevo自身による楽器演奏及び打ち込みが中心であったが、「Chronicle 2nd」以降はサポートミュージシャンを多数起用している。

2005年に行われた三度のライブコンサートは、「Elysion ~楽園幻想物語組曲~」のレコーディングスタッフとほぼ同じメンバー編成にて行われた。 また2006~2007年のコンサートツアー「Roman~僕達が繋がる物語~」でもRomanのレコーディングメンバーとほぼ同じメンバーで行なわれた。しかし主格となるバンドメンバーとストリングス以外の演奏者はコンサートに参加していないため、マニピュレート音源を利用している。この際ナレーション・語り手に声優などを起用していたため、ナレーションも主に音源をマニピュレーターが演奏に合わせて流す形で進行された。

2006年春からの第2期活動では"Revoソロプロジェクト"という姿勢が強調され、歌手や奏者については特定せずに必要に応じて編成するとしている。

なお、第2期活動開始と同時期に『霜月はるか†Revo(Sound Horizon)』のコラボレーションがあり誤解を招いたが、第2期メインボーカルは霜月はるかではなく、第2期のコンセプト通り、特に固定されてはいない。

来歴

1990年代後半

  • Revo個人のWebサイトとしてインターネット上での活動を開始。

2001年

  • 12月
    • コミックマーケット61に同人音楽サークルとして初参加。1st Concept Story CD(plus)「Chronicle」リリース。全曲インストゥルメンタル。

2002年

  • 4月
    • M3-2002春(第9回)にサークル参加。
  • 8月
    • コミックマーケット62にて、2nd Story CD「Thanatos」リリース。メインヴォーカルとしてAramaryが初参加。初のヴォーカル入りアルバムでもある。
  • 10月
    • Revo個人サイトが現在のサイトドメイン"sound-horizon.net"を取得、移転。
    • M3-2003秋(第10回)にサークル参加。
  • 12月
    • 「Thanatos」完売を記念して、Revo個人サイトにてWebイベント「タナトス祭り」開催。
    • IILのインターネットラジオ「Internet Stream」にゲスト出演。
    • コミックマーケット63にて、3rd Story CD「Lost」リリース。男性ヴォーカル・ナレーションとしてJimangが初参加。

2003年

  • 5月
    • M3-2003春(第11回)にて、1st Pleasure CD「Pico Magic」リリース。
  • 8月
  • 11月
    • 「Chronicle」再販希望の声を受け、「Chronicle 2nd」製作発表。
  • 12月

2004年

  • 3月
    • 1st Story Renewal CD「Chronicle 2nd」リリース。
  • 8月
    • コミックマーケット66にて、「恋人を射ち堕とした日」オルゴール頒布。同じく、「Pico Magic Double」うちわ無料配布。
  • 9月
    • メジャーデビューアルバム「Elysion ~楽園への前奏曲~」の発売決定。発表直後、Amazon予約ランキング(全カテゴリ)で1位を記録。
  • 10月
    • 「Elysion ~楽園への前奏曲~」をベルウッドレコードよりリリース。発売日のオリコンデイリーアルバムチャートで14位、発売週のウィークリーアルバムチャートで35位を記録。
  • 11月
    • 東京・秋葉原のヤマギワソフト館及びとらのあな1号店にて「Elysion ~楽園への前奏曲~」発売記念イベントを開催。ライブ曲「恋人を射ち堕とした日 アコースティックバージョン」を初披露。

2005年

  • 1月
  • 3月
    • 「リヴァイアサン 終末を告げし獣」をモモアンドグレープスよりリリース。
    • 事務所サイドの運営するオフィシャルサイト"soundhorizon.com"及びファンクラブ「Salon de Horizon」が発足。
  • 4月
    • 4th Story CD「Elysion ~楽園幻想物語組曲~」をベルウッドレコードよりリリース。発売日のオリコンデイリーアルバムチャートで10位、発売週のウィークリーアルバムチャートで29位を記録。
    • 東京・秋葉原のヤマギワソフト館及びとらのあな1号店にて「Elysion ~楽園幻想物語組曲~」発売記念イベントを開催。ライブ曲「Ark アコースティックバージョン」を初披露。
    • 初の本格的なライブコンサート「Sound Horizon ライブインアムラックス」を池袋アムラックスホールにて開催。
    • ラジオ番組「米倉千尋のSMILE GO HAPPY」(東海ラジオ・KBS京都)にSoundHorizon(Aramary、Revo)としてゲスト出演。
  • 7月
    • ライブコンサート「Elysion ~楽園パレードへようこそ~」をなかのZEROにて開催。アンコールにて、「澪音の世界」のアレンジ曲「Jimangの世界」を初披露。総合プロデュースはスクリーミング・マッド・ジョージ
    • 公演の模様を収録したDVDの発売が決定。
  • 9月
    • ライブコンサート「Elysion ~楽園パレードへようこそ~」追加公演をなかのZEROにて開催。アンコールにて、「Jimangの世界[→ side:J →]」を初披露。

2006年

  • 1月
  • 3月
    • ライブDVD「Elysion ~楽園パレードへようこそ~」をベルウッドレコードよりリリース。発売日のオリコンデイリーDVDチャートで2位、発売週のオリコンウィークリーDVDチャートで2位を記録。
    • Sound Horizon第1期の活動終了と第2期の活動開始(Revoソロプロジェクト化)を発表。
    • メインヴォーカルAramary脱退(別項参照)。
  • 5月
    • 「Sound Horizon Live Tour 2006 -第一次領土拡大遠征-」東京公演をラフォーレミュージアム六本木にて開催。新たな歌姫YUUKI・KAORI・Remiと、ゲストボーカルとして霜月はるかが参加。
  • 6月
  • 9月
    • 初のファンクラブイベント「第一次領土拡大記念大感謝祭」を大阪・am HALL、名古屋・ASUNAL HALL、横浜・yokohama Bay Hallにてそれぞれ開催。
    • 1st MAXI Single CD「少年は剣を…」とPC用オンラインRPG「ベルアイル」とのタイアップ企画を実施。
    • 「第一次領土拡大遠征外伝 -幻想楽団 樹上世界降臨-」と題し、東京ゲームショー2006のステージイベントに出演。
  • 10月
    • 漫画雑誌アブラカダブラにて、「恋人を射ち堕とした日」が「白銀の矢」というタイトルで竹下けんじろうによりコミカライズ、「緋色の風車」が相田裕によりイラスト化され、竹下とRevoの対談も実現。
    • 初のタイアップマキシシングル「少年は剣を…」をティーム・エンタテインメントよりリリース。新たな歌姫YUUKI・KAORI・REMIの歌う「終端の王と異世界の騎士」(プレイステーション2用シミュレーションRPG「カオスウォーズ」主題歌)と「緋色の風車」、RIKKIをボーカルに迎えた「神々が愛した楽園」(PC用オンラインRPG「ベルアイル」テーマソング)の3曲を収録。発売日前日のオリコンデイリーシングルチャートで6位、発売週のウィークリーシングルチャートで9位を記録。
  • 11月
    • 漫画雑誌ウルトラジャンプ12月号に、コミック版「Ark」前編(画:桂遊生丸)及び対談記事「Revo×桂遊生丸 ROMAN対談」が掲載。
    • 5th Story CD「Roman」をキングレコードよりリリース。発売日前日のオリコンデイリーアルバムチャートで15位、発売週のウィークリーアルバムチャートで19位を記録。
    • テレビ番組「音流 ~On Ryu~」(テレビ東京)にRevoゲスト出演。
    • Sound Horizon Concert Tour 2006-2007「Roman ~僕達が繋がる物語~」東京公演を中野サンプラザにて開催。
  • 12月

2007年

ディスコグラフィ

自主制作CD

この一覧の他にも、それぞれボーナストラック(原曲の逆再生曲やPC用サウンド等)がデータとして同梱されている

  • 1st Concept Story CD(plus)「Chronicle」(2001年12月)
  1. Sound Horizon
  2. Black Chronicle
  3. 詩人バラッドの悲劇
  4. アーベルジュの戦い
  5. 樹氷の君~凍てついた魔女~
  6. 蒼と白の境界線
  7. 雷神の左腕
  8. 少女人形
  9. 君が生まれてくる世界
  10. [Bonus Extra Track]夏の時雨←ボーナス版のみ
  • 2nd story CD「Thanatos」(2002年8月)
  1. Sound Horizon[mode:Thanatos]
  2. そこに在る風景
  3. 壊れたマリオネット
  4. 銀色の馬車
  5. 輪廻の砂時計
  6. 珊瑚の城
  7. タナトスの幻想
  • 3rd story CD「Lost」(2002年12月)
  1. Sound Horizon[mode-Lost]
  2. 白の幻影(White Illusion)
  3. 恋人を射ち堕とした日
  4. 魔法使いサラバント
  5. 檻の中の遊戯
  6. 記憶の水底
  7. 失われし詩
  8. 緋色の花
  9. ゆりかご
  10. 永遠の少年
  11. 忘レモノ
  12. ---
  • 1st Pleasure CD「Pico Magic」(2003年5月)
  1. お願いっ!ぴこ魔神☆
  2. ぴこDJ☆
  3. 詩人バラッドの悲劇
  4. 辿りつく詩
  5. 雷神の系譜
  6. Ark [Pico Magic ver.]
  7. 魔女とラフレンツェ [Pico Magic ver.]
  8. 魔法使いサラバント
  9. 恋人を射ち堕とした日
  10. 銀色の馬車
  11. タナトスの幻想は終わらない
  • 2nd Pleasure CD「Pico Magic Reloaded」(2003年8月)
  1. ...Reloaded
  2. 屋根裏の少女
  3. 檻の中の遊戯
  4. 檻の中の花
  5. Ark [Reloaded Ver.]
  6. 輪廻の砂時計
  7. 澪音の世界
  8. They there said reloaeded [bonus track]
  1. 黒の予言書
  2. 詩人バラッドの悲劇
  3. 辿りつく詩
  4. アーベルジュの戦い
  5. 約束の丘
  6. 薔薇の騎士団
  7. 聖戦と死神 第一部「銀色の死神」 ~戦場を駈ける者~
  8. 聖戦と死神 第二部「聖戦と死神」 ~英雄の不在~
  9. 聖戦と死神 第三部「薔薇と死神」 ~歴史を紡ぐ者~
  10. 聖戦と死神 第四部「黒色の死神」 ~英雄の帰郷~
  11. 書の囁き
  12. 蒼と白の境界線
  13. 沈んだ歌姫
  14. 海の魔女
  15. 碧い眼の海賊
  16. 雷神の左腕
  17. 雷神の系譜
  18. 書の魔獣
  19. キミが生まれてくる世界
  20. <ハジマリ>のChronicle
  21. <空白>のChronicle

※ 現在、「Chronicle 2nd」を除いて全て廃盤。

メジャーリリースCD

  1. Ark
  2. 辿りつく詩
  3. 恋人を射ち墜とした日
  4. 澪音の世界
  5. 魔法使いサラバント
  6. 雷神の系譜
  7. 檻の中の花
  8. Yield
  1. エルの楽園[→ side:E →]
  2. Ark
  3. エルの絵本【魔女とラフレンツェ】
  4. Baroque
  5. エルの肖像
  6. Yield
  7. エルの天秤
  8. Sacrifice
  9. エルの絵本【笛吹き男とパレード】
  10. Stardust
  11. エルの楽園[→ side:A →]

 ※ArkとYieldはそれぞれ「Elysion ~楽園への前奏曲~」収録のものと細部のアレンジが若干異なる。

  1. 終端の王と異世界の騎士 ~The Endia & The Knights~
  2. 緋色の風車 ~Moulin Rouge~
  3. 神々が愛した楽園 ~Belle Isle~
  • Major 3rd Album:5th Story CD「Roman」(初回限定版・通常版)(2006年11月22日発売)
  1. 朝と夜の物語
  2. 見えざる腕
  3. 呪われし宝石
  4. 星屑の革紐
  5. 緋色の風車
  6. 天使の彫像
  7. 美しきもの
  8. 歓びと哀しみの葡萄酒
  9. 黄昏の賢者
  10. 11文字の伝言

メジャーリリースDVD

  • ライブDVD「Elysion ~楽園パレードへようこそ~」(初回版・通常版)(2006年3月8日)
  • ライブDVD「Sound Horizon Concert Tour 2006-2007 『Roman ~僕達が繋がる物語~』」(初回版・通常版)(2007年4月25日)

その他参加作品

  • 「Winter Mix 2003」(音楽CD/楽曲提供)
  • 「ねとらん者 THE MOVIE #1 ネットのすみでブログと叫ぶ!」(DVDアニメ/BGM・エンディングテーマ担当)
  • 「リヴァイアサン 終末を告げし獣」(漫画「リヴァイアサン」イメージアルバム/サウンドプロデュース担当)
  • 「GUNSLINGER GIRL Image Album『poca felicita』」(漫画「ガンスリンガー・ガール」イメージアルバム/サウンドプロデュース担当)

外部リンク

脚注

  1. 楽曲の中にはラテン語フランス語イタリア語といった欧州の言語が用いられるなど、所謂「ファンタジー」での舞台という意味合いでの中世ヨーロッパ色が強い。地名も文字ったものが使われている。
  2. ファンクラブの会報にて、この両者は「Revoワークスには欠かせない存在」と発言している
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