社会運動

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社会運動(しゃかいうんどう、英語:Social movement)とは、現在社会の状況の改善や社会問題を独自に提起したり、あるいは政府の社会政策に対して推進または阻止を求める者が、それらの希望を実現することを目的として同志を募り団結して目に見える形で行動運動)し、世論や社会、政府などへのアピールを通じて、問題の解決をはかる動きを指す用語。民主主義的な方法(独自に政党を結成、または候補者を擁立して選挙に出馬するなど)によって政治に進出していく場合もあるが、一般には政府政界には入らず、これらに対する圧力団体を組織するまでで留める場合が多い。

日本では戦後、1960年代(昭和中期)の社会全体が革新左翼的な風潮に包まれていた頃は、社会運動は主にマルクス主義的で先鋭的な階級闘争を掲げる労働運動学生運動のほか、より幅の広い平和運動など、革新・左翼的な運動の代名詞として捉えられがちだった。またこの時期はアメリカ公民権運動ベトナム反戦運動など、国際的に大きなインパクトを与える社会運動が起きた。

そののち、1970年代(日本では昭和後期)以降、世界的に環境保護反原発フェミニズム(特にラディカル・フェミニズム)やマイノリティ人権など、市民を中心に階級闘争では捉えにくい新しいテーマを掲げる社会運動として各種の市民運動が台頭した。学術的には、これらの市民運動を総称して新しい社会運動と呼ぶことがある。これは市民社会の発達やポスト産業社会化にともない、人々の社会問題に対する意識や関心が個別化・多様化したことの表れであった。 なおそれまでの革新・左翼的な社会運動の多くは階級闘争を掲げるなど政治的な党派性や思想イデオロギー性が強かったのに対して、多様化した市民運動は党派性やイデオロギーから距離を置くと称する場合が多く、社会運動に穏健化と活動テーマの幅広さをもたらすこととなった。

だが最近は日本社会そのものが右傾化してきており、現代でも革新・左翼的な社会運動は多く行われているものの、日本では反中在日外国人北朝鮮による日本人拉致問題チベット問題などに関する運動が目立ってきているため、社会全体では保守右翼的な社会運動の割合が高まっている。これは日本に限った現象ではなく、ヨーロッパでも治安の悪化や新規の移民に厳しい姿勢をとるなど外国人を排斥する動きが強まっており、またアメリカではキリスト教右派などが担い手となって中絶反対や伝統的な家族の価値観擁護、創造論の公教育での採用などを主張するなど、各国で保守・右翼的な世論の高まりや社会運動がみられる。さらに欧米先進国にも限られず、イスラム諸国における原理主義イスラーム主義)の高まりにもイスラム法シャリーア)によって統治される社会の(イスラム国家の樹立といった)復古を求めるなど、保守・右翼的な社会運動としての性格がある。

主な社会運動の種類および中心となる担い手

関連項目

外部リンク