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* 黄体期 : 平均14日間活動を維持する。しかし排卵した卵子が[[受精]]しなかった場合、やがてエストロゲンなどの分泌が低下し、子宮内膜が脱落する。そして血液とともに子宮口、[[膣]]を経由して体外に排出されるのが月経である。そのため[[妊娠]]すると、[[出産]]の数か月後まで月経は停止する。
 
* 黄体期 : 平均14日間活動を維持する。しかし排卵した卵子が[[受精]]しなかった場合、やがてエストロゲンなどの分泌が低下し、子宮内膜が脱落する。そして血液とともに子宮口、[[膣]]を経由して体外に排出されるのが月経である。そのため[[妊娠]]すると、[[出産]]の数か月後まで月経は停止する。
 
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== 初潮 ==
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生まれて初めての月経を'''初潮'''(しょちょう、{{lang-en-short|[[:en:Menarche|menarche]]}})、または'''初経'''(しょけい)と言う。古くは「初花(はつはな)」とも言われた。初経時の印象がその後の月経感に影響し、よい印象がなかった人は[[月経前症候群]] (PMS) や[[月経痛]]が多いという研究結果がある<ref name="YUGO">[[ユーゴ]]『布ナプキン』[[産経新聞出版]]</ref>。
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; 年齢
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: 栄養状態や健康状態で年令は変動し、栄養状態と健康状態が共に良好であれば早く訪れる。初潮の数ヶ月前から[[透明]]又は[[白]]色の[[下り物|帯下]]の増加が見られるようになった後、初潮が発生する。初潮の平均年齢は12歳で、大部分は年齢で10歳から15歳の間、[[陰毛]]が発育し始めてから一定後([[タナー段階]]で2-3度)、身長の伸びが低くなり始めた頃に発生することが多い。
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:* 10歳未満 早発月経(思春期早発症)。
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:* 15歳以上 遅発月経
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:* 18歳で初経を見ない 原発無月経、染色体異常、性の発生・分化異常が疑われる。
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; 妊娠
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: 「初潮=子供が産める体」になったという風に受け取られがちだが、始まっても1-2年間は周期は不規則で排卵が無い'''(無排卵性月経)'''場合が多、妊娠の可能性は低い。反面、排卵があれば妊娠の可能性はあり、10歳以下でも妊娠するケースもある。最年少出産記録で知られる[[リナ・メディナ]]は5歳7ヶ月21日で出産した(詳細は本人の項を参照)。月経は受精が成立しなかった場合に起こるものであり、初潮もまた例外ではないことから、初めて排卵された時に子宮内に精子が存在すれば、初潮を迎える前に妊娠する可能性も否定できない。
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; 成長
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: 思春期開始から初経の1年以上前は[[乳房#乳房の成長|乳房の発達]]開始([[乳首|乳頭]]期、後に[[乳輪]]期)や[[外陰部]]の発達し始など、[[大人]]の体型へ変化し始めで、[[骨盤]]が前傾傾向(女児型)のままなど、まだ[[子供]]の体型に近いが、初経を挟む前後1年間は乳房全体が膨らみ始め(第1乳房期、後に第2乳房期)、骨盤が前傾傾向から直立傾向(女児型から女性成人型)に転換し始めることから[[腹]]がまっすぐになり、[[尻|ヒップ]]が大きくなり始めるなど急激に体型が変化し、初経の1年後以降になると骨盤が直立傾向(女性成人型)となり、大人の体型に近くなる(乳房は形成期)。乳房は途中で初経を挟む約4年間で発達する。初経時は[[身長]]の伸びのピークが過ぎており、初経後はあまり身長が伸びなくなる。
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; 病気
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: 初経前後は[[脊椎側彎症]]の発症が多いとされている。
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== 閉経 ==
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閉経時期([[更年期]])を迎えると、女性の体はホルモン分泌が変わり、月経は不規則になり、やがて停止する。多くの場合、50歳前後で閉経する(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳である)。動詞で「上がる」とも称する。
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'''日本産科婦人科学会定義による 月経異常の種類【閉止】と問題点'''
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{| class="wikitable" style="text-align:center"
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! 種類と年令 || 問題点
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| 正常 50歳 ||
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| 早期閉経 40歳未満<br>(早期卵巣不全) || 骨粗しょう症、動脈硬化
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| 遅発閉経 55歳以上 || 乳がん、子宮体がん
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閉経まで排卵が続く場合もあるが、早い者では40歳代前半には排卵がなくなり、無排卵のままホルモンバランスによる月経が閉経まで起こることがある。
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閉経をはさむ前後5年ほどの時期を「更年期」と呼ぶ。月経の停止以外に、ホルモンバランスの変化や心理影響によって、色々な自覚症状をおぼえる女性もいる。
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{{main|更年期障害}}
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== 処置 ==
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月経期間中は、子宮から膣を経て体外に経血が排出される。女性はこの出血を自分でコントロールできないため、なんの処置もしないでいると、下着や衣服を汚してしまい支障がでる。そのため、排出される経血を吸収するために、[[ナプキン (生理用)|ナプキン]]や[[タンポン]]のような[[生理処理用品|生理用品]]を使用する。
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{{main|生理処理用品}}
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== 月経異常 ==
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期間の異常、サイクルの異常、疼痛などがあり、正常月経の範囲を逸脱したものと定義される
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{| class="wikitable" style="text-align:right"
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|+ 日本産科婦人科学会定義による 正常月経
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| 月経周期
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| style="text-align:center" | 25〜38日
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| 出血持続日数
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| style="text-align:center" | 3〜7日
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| 出血量
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| style="text-align:center" | 20〜140 ml
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| 随伴症状 || 日常生活に支障の無い軽度のもの
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* 月経不順
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** 月経が始まった頃は、月経周期は安定せず、数か月起こらなかったりすることもよくある。
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** 月経周期 (menstrual cycle) の異常
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*** 頻発月経/経早/月経先期:月経周期が異常に短縮する(24日以下)
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*** 稀発月経/経遅/月経後期:月経周期が異常に長くなる(39日以上)
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*** 不正周期月経/経乱:月経周期が不定期なもの(毎回の変動が7日以上)
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** 月経持続期間の異常
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*** 過短月経 (too short menstruation):出血期間が異常に短縮する(2日以下)
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*** 過長月経 (too long menstruation):出血期間が異常に長くなる(8日以上)
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** 月経量の異常
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*** 過少月経 (hypomenorrhea):20ml未満
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*** 過多月経 (hypermenorrhea/menorrhagia):140ml以上
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* [[無排卵月経]]
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*: 一見すると定期反復的な出血が見られるが、周期内に排卵を伴わないもの。[[基礎体温]]を測ると一相性になる。厳密な意味での月経とはいえず、特に短期間に繰り返す頻発月経だったり不正周期のランダムな出血だったり、あるいは月経とも呼べない程の過少月経だったりする場合は、[[不正出血]]の一種として扱うことも多い。
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* [[無月経]] ([[:en:Amenorrhoea|amenorrhoea]])
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** 原発性無月経
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**: 18歳の誕生日までに初潮を見ないこと。[[染色体異常]]や[[性分化疾患]]、[[内分泌器]]系の異常などで起因することが多い。
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** 二次性無月経または続発性無月経
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**: 初潮後ある程度月経を経験した女性の月経が3か月以上なくなること。妊娠した場合には当然ながら続発性無月経となる。また過度な[[ダイエット]]や[[拒食症]]、過度の[[スポーツ]]などで栄養障害を起こした場合にしばしば起こりうる。スポーツに起因するものは運動性無月経と呼ばれる事がある。
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* 月経発来異常
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** 早発月経 (premature menstruation):10歳の誕生日より前に初経を迎える
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** 遅発月経 (delayed menstruation):16歳の誕生日より後に初経を迎える
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* [[月経困難症]](生理痛 [[:en:Dysmenorrhea|dysmenorrhea]])。子宮筋が収縮し剥離・脱落した子宮内膜を腟へ排出する際に生じる収縮痛。
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*: 月経期間中、[[痙攣]]のような腹痛を感じたり、腰が砕けそうな痛みを感じたり、足が痺れたり、身体が麻痺したり、[[下痢]]・悪心があったり、日常生活に支障をきたすような不調が起こること。若い女性に多い。妊娠経験後、痙攣性の腹痛を感じなくなる場合も少なくない。
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* [[月経前症候群]]・PMS (premenstrual syndrome)
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*: 多くの女性は月経前数日、様々な不快を感じる(個人差はある)。腰痛・腹痛・頭痛・むくみ・悪心・食欲不振・乳房の緊張など。また精神的に不安定になって、落ち込んだり怒りっぽくなったりすることも多い。黄体ホルモンの影響によると考えられる。
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{{Main|月経前症候群}}
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== 月経中の性行為 ==
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月経中に性欲の高まりを感じる人もいる。月経中の性行為はタブー視されていることが多いが、産婦人科医の[[河野美代子]]によれば、血液の流出に対処できるのであれば行為自体に問題はないという。また、「生理中にセックスしてはいけない」という説には医学的な根拠はないのではないかとも述べている。性行為で月経血の逆流が起こるとされることもあるが、{{仮リンク|英国王立産婦人科医協会|en|Royal College of Obstetricians and Gynaecologists}}によれば、月経血の逆流は性行為の有無に関わらず月経中の女性の90%に起きていることであるという<ref>{{cite book|title=Management of Infertility for the MRCOG and Beyond |publisher=[[ケンブリッジ大学出版局]] |author=Siladitya Bhattacharya、Mark Hamilton編 |page=57}}</ref>。
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しかし、月経中の性行為では妊娠しない、というのは俗説であるため、妊娠を避ける場合は通常通り避妊が必要となる。また、[[子宮頸部]]が広がっていることにより感染のリスクが普段よりも若干上がっているため、パートナーが[[性感染症]]に罹患しているかどうかわからないような場合には、[[コンドーム]]などを利用して[[セーファーセックス]]を心がける必要がある。また、HIVなどの性感染症のウイルスは血液中に存在するため、パートナーにうつさないためにも、[[セーファーセックス]]は有用な考え方である。{{仮リンク|インディアナ大学ブルーミントン校公衆衛生学部|en|Indiana University School of Public Health-Bloomington}}の教授である{{仮リンク|デビー・ハーベニック|en|Debby Herbenick}}博士は、オーガズム時の筋収縮によって月経前や月経時の痛みや不快感が和らぐこともあるとしている。ただし、生理痛を和らげるためにできることは他にもあるため、女性は生理痛であるか否かに関わらず、したいときはすれば良いし、したくないときはしなければ良いとも述べている。
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== 社会的捉え方 ==
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=== 生理休暇 ===
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{{See|生理休暇}}
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: 日本の[[労働基準法]]では、その第68条で生理日の就業がいちじるしく困難な女子は[[生理休暇]]が取得できる旨が定められている。
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: なお、近代以降において、生理休暇を法制化したのは日本が最初である<ref>古代律令制の休暇には女官のために淋假が設けられていたので、近代以前には生理休暇は存在していた。生理休暇の導入経緯については、田口亜紗『生理休暇の誕生』(青弓社)を参照。</ref>。これに対し、[[女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約|婦人差別撤廃条約]][[批准]]以降は、「母性保護措置ではないので、医学的に配慮が必要な場合を除き廃止すべきである」との指摘があるが、依然として「母性保護のため必要なので、現行のとおり存続とすべきである」という主張もあり、両者の意見は分かれたままになっている。
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=== タブー ===
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: 近代以前の世界では、月経は穢れであるとして忌避されていた国や地域が多く、今日でもその名残が残るところもある。
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: 日本でもインドや中国の文化的影響により、かつては月経中の女性は宮参りなどの[[神事]]に参加することができなかった(たとえば『[[落窪物語]]』巻二、『[[堤中納言物語]]』「花桜折る中将」)。現在もごく少数の社寺で女性の神事の参加を禁止している所がある。[[大相撲]]の土俵が女人禁制であるのも、相撲が元は神前で行うものだった名残である。{{main|女人禁制}}
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{{see also|en:Menstrual taboo}}
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: [[ネパール]]の西部では月経期間中の女性を穢れた存在として村から追放する[[チャウパディ]]という習慣が存在する。
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=== 祝い事 ===
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: 日本では、古くは初潮を迎えた女性に対して[[赤飯]]を炊いて祝う家庭もあった。現在では思春期の女性は異性の家族に自身の性的成熟を知られるのを嫌がることも多いため、概ね見られなくなった習慣である。
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=== 広告 ===
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: 生理用品の[[コマーシャルメッセージ|CM]]では、経血は青色や緑色の着色水で表現される。透明では分かりにくいのはもちろん、赤だと生々しいという理由からである。またテレビCMについても夕飯時といったゴールデンタイムには放映が禁止される等規制も存在する。
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== 出典 ==
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== 参考文献 ==
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* {{Cite book|和書|author = |title = 生化学辞典第2版|edition = 第2版第6刷|year = 1995|publisher = [[東京化学同人]]|isbn = 4-8079-0340-3|page = |ref = 生化学辞典(2版)}}
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== 関連書 ==
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* 田中ひかる 『月経と犯罪』女性犯罪論の真偽を問う 批評社 ISBN 4826504381
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* おんなのこ物語―初潮のほん [[小学館]] ISBN 978-4091043115
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== 関連項目 ==
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* [[女性と喫煙]]
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* [[骨粗鬆症]]
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* [[疲労骨折]]
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{{性}}
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{{DEFAULTSORT:けつけい}}
 +
{{Normdaten}}
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[[Category:人間の生殖]]
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[[Category:産育]]
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[[Category:女性の健康]]

2020年1月16日 (木) 09:46時点における最新版

月経(げっけい、menstruation)は、成熟した人間の女性および高等霊長類のメスの子宮壁の最内層の子宮内膜と呼ばれる層が、周期的に剥離・脱落する際に生じる生理的出血である。思春期に始まり(初経)、個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常4-7日間続く(正常月経周期:25-38日)。月経と同時かその数日前から不快な症状を感じる女性が多く、症状は月経前緊張症候群や生理痛(月経痛)と呼ばれ、生理痛は子宮筋が収縮し剥離・脱落した子宮内膜を腟へ排出する際に生じる収縮痛である。

正式な医学用語は月経だが、生理(せいり)、女の子の日、メンス、アレなど様々に呼ばれる。他には#別名節を参照。

名称[編集]

月経が医学用語であるが、時代・階級などで様々な俗称がある。(例:おまけ、おめぐり、はつはな、めぐり、おてなし、かりや、おてあい....)

現代日本では、俗に「メンス」(menstruation, menses のカタカナ表記の省略形)、「アンネ」(生理用品のメーカー名より)、「お弁当箱」(ナプキンが梱包されている形から)、「お客さん」(ナプキンを座布団に見立てて)、「つきのもの」「つきやく」「お月様」「セーラームーン」{月経の周期がの満ち欠け周期(29.5日)に近いことから}、また隠語めいて「アレ」「めぐり」「女の子の日」「女盛りの日」「アノ日」と呼ぶことも口語ではありえる。

月経周期[編集]

月経周期とは、月経開始日を1日目として、次の月経が開始する前日までの日数をいう。月経周期は個人差はあるが、閉経時期までの間におよそ28日周期で起こり、通常3〜7日間続く(正常月経周期:25〜38日)、文献によっては 25〜36日。

月経周期は卵胞期、排卵期、黄体期に分けられる。

  • 卵胞期 : 卵巣内で下垂体前葉分泌する卵胞刺激ホルモン (FSH) の影響で卵胞が成長し、子宮内膜が厚くなる。同時に分泌を促されたエストロゲン中濃度が高まると下垂体前葉から黄体刺激ホルモンが分泌され、排卵が起こり黄体が形成される。
  • 排卵期 : 排卵(卵子の放出)が起こる。エストロゲン濃度が最大値となり、プロゲステロン値も上昇を始める、貯蔵されていた黄体形成ホルモンが通常36〜48時間に渡り大量に放出される黄体形成ホルモンサージ(LHサージ)が起きる。卵胞刺激ホルモンもわずかに上昇する。黄体形成ホルモンサージ開始から約16〜32時間以内に、卵胞壁の崩壊と成熟した卵子の放出を生じさせる酵素が活性化される。また、卵母細胞の第一減数分裂が約36時間以内に完了する。
  • 黄体期 : 平均14日間活動を維持する。しかし排卵した卵子が受精しなかった場合、やがてエストロゲンなどの分泌が低下し、子宮内膜が脱落する。そして血液とともに子宮口、を経由して体外に排出されるのが月経である。そのため妊娠すると、出産の数か月後まで月経は停止する。


初潮[編集]

生まれて初めての月経を初潮(しょちょう、menarche)、または初経(しょけい)と言う。古くは「初花(はつはな)」とも言われた。初経時の印象がその後の月経感に影響し、よい印象がなかった人は月経前症候群 (PMS) や月経痛が多いという研究結果がある[1]

年齢
栄養状態や健康状態で年令は変動し、栄養状態と健康状態が共に良好であれば早く訪れる。初潮の数ヶ月前から透明又は色の帯下の増加が見られるようになった後、初潮が発生する。初潮の平均年齢は12歳で、大部分は年齢で10歳から15歳の間、陰毛が発育し始めてから一定後(タナー段階で2-3度)、身長の伸びが低くなり始めた頃に発生することが多い。
  • 10歳未満 早発月経(思春期早発症)。
  • 15歳以上 遅発月経
  • 18歳で初経を見ない 原発無月経、染色体異常、性の発生・分化異常が疑われる。
妊娠
「初潮=子供が産める体」になったという風に受け取られがちだが、始まっても1-2年間は周期は不規則で排卵が無い(無排卵性月経)場合が多、妊娠の可能性は低い。反面、排卵があれば妊娠の可能性はあり、10歳以下でも妊娠するケースもある。最年少出産記録で知られるリナ・メディナは5歳7ヶ月21日で出産した(詳細は本人の項を参照)。月経は受精が成立しなかった場合に起こるものであり、初潮もまた例外ではないことから、初めて排卵された時に子宮内に精子が存在すれば、初潮を迎える前に妊娠する可能性も否定できない。
成長
思春期開始から初経の1年以上前は乳房の発達開始(乳頭期、後に乳輪期)や外陰部の発達し始など、大人の体型へ変化し始めで、骨盤が前傾傾向(女児型)のままなど、まだ子供の体型に近いが、初経を挟む前後1年間は乳房全体が膨らみ始め(第1乳房期、後に第2乳房期)、骨盤が前傾傾向から直立傾向(女児型から女性成人型)に転換し始めることからがまっすぐになり、ヒップが大きくなり始めるなど急激に体型が変化し、初経の1年後以降になると骨盤が直立傾向(女性成人型)となり、大人の体型に近くなる(乳房は形成期)。乳房は途中で初経を挟む約4年間で発達する。初経時は身長の伸びのピークが過ぎており、初経後はあまり身長が伸びなくなる。
病気
初経前後は脊椎側彎症の発症が多いとされている。

閉経[編集]

閉経時期(更年期)を迎えると、女性の体はホルモン分泌が変わり、月経は不規則になり、やがて停止する。多くの場合、50歳前後で閉経する(日本人女性の平均閉経年齢は約50歳である)。動詞で「上がる」とも称する。

日本産科婦人科学会定義による 月経異常の種類【閉止】と問題点

種類と年令 問題点
正常 50歳
早期閉経 40歳未満
(早期卵巣不全)
骨粗しょう症、動脈硬化
遅発閉経 55歳以上 乳がん、子宮体がん

閉経まで排卵が続く場合もあるが、早い者では40歳代前半には排卵がなくなり、無排卵のままホルモンバランスによる月経が閉経まで起こることがある。

閉経をはさむ前後5年ほどの時期を「更年期」と呼ぶ。月経の停止以外に、ホルモンバランスの変化や心理影響によって、色々な自覚症状をおぼえる女性もいる。

詳細は 更年期障害 を参照

処置[編集]

月経期間中は、子宮から膣を経て体外に経血が排出される。女性はこの出血を自分でコントロールできないため、なんの処置もしないでいると、下着や衣服を汚してしまい支障がでる。そのため、排出される経血を吸収するために、ナプキンタンポンのような生理用品を使用する。

詳細は 生理処理用品 を参照
詳細は タンポン を参照

月経異常[編集]

期間の異常、サイクルの異常、疼痛などがあり、正常月経の範囲を逸脱したものと定義される

日本産科婦人科学会定義による 正常月経
月経周期 25〜38日
出血持続日数 3〜7日
出血量 20〜140 ml
随伴症状 日常生活に支障の無い軽度のもの
  • 月経不順
    • 月経が始まった頃は、月経周期は安定せず、数か月起こらなかったりすることもよくある。
    • 月経周期 (menstrual cycle) の異常
      • 頻発月経/経早/月経先期:月経周期が異常に短縮する(24日以下)
      • 稀発月経/経遅/月経後期:月経周期が異常に長くなる(39日以上)
      • 不正周期月経/経乱:月経周期が不定期なもの(毎回の変動が7日以上)
    • 月経持続期間の異常
      • 過短月経 (too short menstruation):出血期間が異常に短縮する(2日以下)
      • 過長月経 (too long menstruation):出血期間が異常に長くなる(8日以上)
    • 月経量の異常
      • 過少月経 (hypomenorrhea):20ml未満
      • 過多月経 (hypermenorrhea/menorrhagia):140ml以上
  • 無排卵月経
    一見すると定期反復的な出血が見られるが、周期内に排卵を伴わないもの。基礎体温を測ると一相性になる。厳密な意味での月経とはいえず、特に短期間に繰り返す頻発月経だったり不正周期のランダムな出血だったり、あるいは月経とも呼べない程の過少月経だったりする場合は、不正出血の一種として扱うことも多い。
  • 無月経 (amenorrhoea)
    • 原発性無月経
      18歳の誕生日までに初潮を見ないこと。染色体異常性分化疾患内分泌器系の異常などで起因することが多い。
    • 二次性無月経または続発性無月経
      初潮後ある程度月経を経験した女性の月経が3か月以上なくなること。妊娠した場合には当然ながら続発性無月経となる。また過度なダイエット拒食症、過度のスポーツなどで栄養障害を起こした場合にしばしば起こりうる。スポーツに起因するものは運動性無月経と呼ばれる事がある。
  • 月経発来異常
    • 早発月経 (premature menstruation):10歳の誕生日より前に初経を迎える
    • 遅発月経 (delayed menstruation):16歳の誕生日より後に初経を迎える
  • 月経困難症(生理痛 dysmenorrhea)。子宮筋が収縮し剥離・脱落した子宮内膜を腟へ排出する際に生じる収縮痛。
    月経期間中、痙攣のような腹痛を感じたり、腰が砕けそうな痛みを感じたり、足が痺れたり、身体が麻痺したり、下痢・悪心があったり、日常生活に支障をきたすような不調が起こること。若い女性に多い。妊娠経験後、痙攣性の腹痛を感じなくなる場合も少なくない。
  • 月経前症候群・PMS (premenstrual syndrome)
    多くの女性は月経前数日、様々な不快を感じる(個人差はある)。腰痛・腹痛・頭痛・むくみ・悪心・食欲不振・乳房の緊張など。また精神的に不安定になって、落ち込んだり怒りっぽくなったりすることも多い。黄体ホルモンの影響によると考えられる。
詳細は 月経前症候群 を参照

月経中の性行為[編集]

月経中に性欲の高まりを感じる人もいる。月経中の性行為はタブー視されていることが多いが、産婦人科医の河野美代子によれば、血液の流出に対処できるのであれば行為自体に問題はないという。また、「生理中にセックスしてはいけない」という説には医学的な根拠はないのではないかとも述べている。性行為で月経血の逆流が起こるとされることもあるが、英国王立産婦人科医協会English版によれば、月経血の逆流は性行為の有無に関わらず月経中の女性の90%に起きていることであるという[2]

しかし、月経中の性行為では妊娠しない、というのは俗説であるため、妊娠を避ける場合は通常通り避妊が必要となる。また、子宮頸部が広がっていることにより感染のリスクが普段よりも若干上がっているため、パートナーが性感染症に罹患しているかどうかわからないような場合には、コンドームなどを利用してセーファーセックスを心がける必要がある。また、HIVなどの性感染症のウイルスは血液中に存在するため、パートナーにうつさないためにも、セーファーセックスは有用な考え方である。インディアナ大学ブルーミントン校公衆衛生学部English版の教授であるデビー・ハーベニックEnglish版博士は、オーガズム時の筋収縮によって月経前や月経時の痛みや不快感が和らぐこともあるとしている。ただし、生理痛を和らげるためにできることは他にもあるため、女性は生理痛であるか否かに関わらず、したいときはすれば良いし、したくないときはしなければ良いとも述べている。

社会的捉え方[編集]

生理休暇[編集]

生理休暇 を参照

日本の労働基準法では、その第68条で生理日の就業がいちじるしく困難な女子は生理休暇が取得できる旨が定められている。
なお、近代以降において、生理休暇を法制化したのは日本が最初である[3]。これに対し、婦人差別撤廃条約批准以降は、「母性保護措置ではないので、医学的に配慮が必要な場合を除き廃止すべきである」との指摘があるが、依然として「母性保護のため必要なので、現行のとおり存続とすべきである」という主張もあり、両者の意見は分かれたままになっている。

タブー[編集]

近代以前の世界では、月経は穢れであるとして忌避されていた国や地域が多く、今日でもその名残が残るところもある。
日本でもインドや中国の文化的影響により、かつては月経中の女性は宮参りなどの神事に参加することができなかった(たとえば『落窪物語』巻二、『堤中納言物語』「花桜折る中将」)。現在もごく少数の社寺で女性の神事の参加を禁止している所がある。大相撲の土俵が女人禁制であるのも、相撲が元は神前で行うものだった名残である。
詳細は 女人禁制 を参照

も参照

ネパールの西部では月経期間中の女性を穢れた存在として村から追放するチャウパディという習慣が存在する。

祝い事[編集]

日本では、古くは初潮を迎えた女性に対して赤飯を炊いて祝う家庭もあった。現在では思春期の女性は異性の家族に自身の性的成熟を知られるのを嫌がることも多いため、概ね見られなくなった習慣である。

広告[編集]

生理用品のCMでは、経血は青色や緑色の着色水で表現される。透明では分かりにくいのはもちろん、赤だと生々しいという理由からである。またテレビCMについても夕飯時といったゴールデンタイムには放映が禁止される等規制も存在する。

出典[編集]

  1. ユーゴ『布ナプキン』産経新聞出版
  2. Siladitya Bhattacharya、Mark Hamilton編 () Siladitya Bhattacharya、Mark Hamilton編 [ Management of Infertility for the MRCOG and Beyond ] ケンブリッジ大学出版局 57
  3. 古代律令制の休暇には女官のために淋假が設けられていたので、近代以前には生理休暇は存在していた。生理休暇の導入経緯については、田口亜紗『生理休暇の誕生』(青弓社)を参照。

参考文献[編集]

関連書[編集]

関連項目[編集]

歴史 性戦争 - 性描写の歴史 - 性の革命
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関係と社会 アナキズムと性 - 家族計画 - ホモフォビア - 結婚 - 性的倒錯 - ポリアモリー - 淫蕩 - クィア理論 - 宗教と性行為 - ロマンス - 純潔運動 - 色気 - 性的資本 - 性道徳 - 性的対象化
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